コンクリート造の家やアパートなら、シロアリ被害の心配はないと考えていませんか?実はコンクリートでも、わずかな隙間からシロアリが侵入するリスクは十分あります。
「うちはコンクリートだから、シロアリ対策をしなくても大丈夫」
と思っている人ほど、シロアリに気づいた頃には被害が大きく広がっている可能性もあります。本記事ではコンクリート造でシロアリが侵入する経路や方法、予防対策を解説します。
シロアリ駆除の施工例も写真つきで紹介するため、ぜひ参考にしてください。
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コンクリートでもシロアリ被害のリスクあり
シロアリはコンクリートでも被害に遭うリスクがあるため、油断しないことが大切です。
鉄筋コンクリート建築は地震に強く、耐久性に優れていますがシロアリ被害を放置すれば水漏れや耐久性が落ちる原因につながります。
シロアリは1mmの隙間から侵入できる
シロアリはわずか1mm程度の隙間から侵入できるため、コンクリートの繋ぎ目部分から侵入できます。
最初は数匹の侵入でも、卵を産めばその数は数百、数千匹とどんどん増えてしまいます。
そもそもシロアリがコンクリート造に近づく理由は、コンクリート自体ではなく内部にある木材をエサにしたいためです。
コンクリートはシロアリの栄養になりませんが、木材の存在を嗅ぎ付けて中に侵入しようとするのです。
コンクリートに穴を開けるシロアリもいる
シロアリは木材を噛み砕く強靭な顎を持っており、コンクリートまで少しずつ砕いてしまいます。たとえコンクリート造でも時間をかければ、シロアリが侵入して木材などを食べるリスクは十分にあります。
シロアリ一匹あたりの被害は少なくても、数千匹ものシロアリから細かくコンクリートに穴を開けられれば、やがて大穴に発展する可能性もあります。
すると、他のシロアリが侵入し、さらに被害が進むリスクも高いのです。
コンクリート造のシロアリ侵入経路
コンクリート造にシロアリが侵入する経路は、マンションと一軒家で違いがあります。
侵入経路を定期的にチェックするだけでも、シロアリ予防になります。
コンクリート造のマンションでシロアリ被害が起きる場所
コンクリート造のマンションでシロアリ被害が起こりやすいのは、基本的に低い場所です。
しかし、油断していると2階や3階であっても被害に遭う可能性があるため、シロアリ被害を見つけたら管理会社にすぐ連絡しましょう。
コンクリートの接合部分
コンクリート同士の接合部分や、他の資材とつなげた部分はわずかな隙間や亀裂があります。
1mm程度の隙間でもシロアリが侵入してしまうため、接合部分の隙間が広がっていないかチェックしましょう。
隙間や亀裂を見つけたら、自己判断で補修する前に管理会社に相談してください。
外壁の基礎周り
外壁の基礎周りは、コンクリート以外の資材も使われており木材などにシロアリが集まってしまいます。基礎周りの塗装が剥がれれば、たとえコンクリート基礎でも隙間からシロアリが侵入するリスクもあります。
経年劣化により基礎周りの割れや塗装が起きている場所は、定期的に点検しましょう。
特に一階の被害が起こりやすい
シロアリは地面から侵入するため、特に一階で被害が起こりやすいです。一階に住んでいる場合は、室内でもシロアリを見つける可能性があるためすぐに管理会社に連絡しましょう。
また、シロアリが食べた木屑や羽を見つけたら、近くにシロアリがいるかもしれません。
コンクリート造の一軒家でシロアリ被害が起きる場所
コンクリート造の一軒家では、マンションとは少し異なる場所にシロアリが発生するケースがあります。
床下
コンクリート基礎でも床下部分には、木材などの別の資材が使われておりシロアリが繁殖する原因につながります。
床下から室内に向かってシロアリの食害が進むと、床や畳の歪みや歩いた時にフワフワした感触があります。
木屑やフンを見つけたら、早めに専門業者へシロアリ駆除を依頼しましょう。
水回り
シロアリは湿気がある環境を好むため、風呂場や台所などの水を使う場所で繁殖します。
シロアリ被害が進むと、風呂場の柱や敷居などの木材部分が変色するため見た目でも変化に気づけます。
柱や梁など木材部分
柱や梁は木材が使われているため、シロアリの食害に遭いやすい場所です。
シロアリに食べられていると、内部の空洞化が進んで軽く叩いた時に筒のような空洞音が聞こえる可能性があります。
柱や梁は家を支える重要な部分であるため、地震の時に家の歪みや倒壊のリスクを高める原因につながります。すぐに駆除して必要であれば、柱や梁を補修しましょう。
配管の隙間
コンクリート造や基礎を使っていても、配管からシロアリが侵入するリスクがあります。
しかし水道管や通気口は、住宅に必要な部分で完全に塞げません。配管周辺は定期的にシロアリがいないかチェックしたり、シロアリ予防の薬剤を使用しましょう。
床下コンクリート構造の種類別シロアリ侵入方法
床下のコンクリート構造には「土間コンクリート」と「ベタ基礎」があります。
シロアリの侵入経路が変わるため、住んでいる家屋の構造に当てはまるものをチェックしましょう。
土間コンクリート
土間コンクリートは、土壌とコンクリートのわずかな隙間からシロアリが侵入する可能性があります。
土間コンクリートとは、コンクリートを直接土壌に流し込んで固める方法です。湿気を遮断できますが、基礎を作ったあとに流し込むため、ごくわずかな隙間ができてしまいます。
コンクリートは経年で多少収縮するため、隙間も広がる傾向があります。
ベタ基礎
ベタ基礎は、地面全体をコンクリートで覆った後に底板を敷いて作るため、家屋との隙間からシロアリが侵入します。
現在の木造住宅の主流である基礎ですが、水抜き穴や配管の隙間などからも入り込むリスクがあるため注意しましょう。
コンクリート造のシロアリ予防対策5選
コンクリート造の建物は木造に比べてシロアリ被害を受けないと思われがちですが、決して安心できません。
コンクリートの隙間やひび割れからシロアリが侵入し、内部の木材部分に被害を及ぼすことがあります。そこで、コンクリート造の建物でも実践すべきシロアリ予防対策を5つ紹介します。
今までシロアリ対策をしていなかった人は、被害が広がる前にシロアリがいないか点検したうえで予防対策をとりましょう。
基礎工事後に水抜き穴をすべて埋める
コンクリート基礎には、建築時に水抜き穴を作る場合があり、そこからシロアリが侵入してしまいます。これは施工中に内部の水を排出するためのもので、穴が空いたままだとシロアリの侵入経路になる可能性があります。
基礎工事が完了したら、適切な材料で水抜き穴をしっかり埋めましょう。
水抜き穴を塞ぐ際には、シロアリが通過できないシリコン系の防水材やモルタルの使用がおすすめです。目視では気づきにくい小さな隙間も侵入経路になるため、専門業者にチェックしてもらうと安心です。
短い固定金具を使う(半セパーレーター)
コンクリート造の建物では、内装工事の際に木材を固定するための金具(セパレーター)を使うケースがあります。
しかし、長い固定金具を使用するとコンクリートを貫通し、シロアリが内部に侵入するリスクが高まる原因です。
これを防ぐために、短い固定金具(半セパーレーター)を使用し、できるだけコンクリートの貫通を避けましょう。また、固定金具周辺の隙間を埋める処理を施すことで、さらに侵入リスクを減らすことができます。
建築時に施工主に相談しておけば、長期的なシロアリ対策につながります。
湿気がこもらないよう除湿対策する
シロアリは湿気を好む生き物のため、除湿対策を徹底しましょう。コンクリート造の建物でも、室内や床下の湿度が高くなると、シロアリの繁殖リスクが高まります。
湿気を防ぐために次のポイントを意識しましょう。
- 換気口を確保し通気性を良くする
- 床下に防湿シートを敷いて湿気の上昇を防ぐ
- エアコンの除湿機能や除湿機を定期的に使う
これらの対策を実施することで、シロアリが寄り付きにくい環境を作ることができます。
コンクリートのひび割れはすぐ補修する
コンクリートは耐久性が高い素材ですが、時間が経つと小さなひび割れが生じることがあります。このひび割れがシロアリの侵入経路になり、内部の木材部分に被害をもたらしてしまいます。
小さなひび割れを放置すればシロアリ被害だけでなく、雨水や湿気が入り込み家屋の劣化が進む原因になるため早めに補修しましょう。
ひび割れの補修はコンクリート専用の補修材(エポキシ樹脂など)を使ってください。ただし、ひび割れの範囲が広いなど、しっかりと埋め立てられない場合は専門業者に修理を依頼しましょう。
コンクリートの基礎部分は普段見かける機会が少ないため、1ヶ月に1回など定期的な点検が大切です。
定期的にシロアリ予防の薬剤を散布する
コンクリート造の建物でも、定期的にシロアリ予防の薬剤を散布すればリスクを大幅に軽減できます。 特にシロアリの発生しやすい梅雨時期や夏場に向けて、事前に対策をしておくことが重要です。
シロアリ対策の薬剤は、ホームセンターなどで購入できますが、専門業者に依頼するとより効果的な処理が可能です。 また、薬剤の効果は永久的ではないため、2~5年ごとに定期的な再処理を行うことが推奨されます。
対策を心がければ、長期間にわたって安全な住環境を維持することができます。大切な建物を守るためにも、早めの対策を心がけましょう。
コンクリート造のシロアリ駆除施工例
コンクリート造のシロアリ駆除は、場所によって施工方法が多少異なります。
画像は外壁のわずかな隙間からシロアリが侵入し、「蟻道」と呼ばれる通り道が外に出ている状態です。
壁の隙間や新しく開けた穴からていねいに薬剤を注入して駆除します。
まずは床下の侵入口を確保し、基礎周辺全体に薬剤を散布して駆除します。柱や梁などにシロアリが侵入していれば、数mmの穴を開けて内部に薬剤を注入する駆除方法があります。
最後は新たにシロアリが侵入しないよう、開けた穴や隙間を補修して完了です。
まとめ
シロアリはコンクリートでも隙間が1mmでもあれば侵入できるため、決して油断できません。
シロアリ被害に遭っていると、羽やフン、木屑などが地面に落ちていたり、床や壁に空洞音がしたりとわかりやすいサインがあります。
早めに駆除しないと、家屋の柱や床下などを傷つけて建物の寿命が縮まってしまいます。
シロアリは市販の薬剤だけでは、きれいに駆除しきれない可能性があるため、プロによる徹底した駆除がおすすめです。
また、シロアリが寄り付かないように、定期的なシロアリ予防の施工もおすすめです。
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