シロアリは良く耳にしますが、他の昆虫などと違って、実際見かける事はなく、生態を知らない事がほとんどだと思います。でも、被害を及ぼすのが「住宅」というところは、絶対に放置できない怖い存在です。
一度大きな被害に遭うときっちり駆除したにもかかわらずまた次の被害が再発したり、、、専門業者に頼まず、自分で簡単に駆除して被害がさらに拡大したり、、、中には放置してしまった為に住宅が崩壊するといった例もあるほどです。
もちろん、新築よりは築年数を経過した住宅の被害が多いというのはありますが、時代とともに建築様式が変わったりしても、まだまだたくさんの被害事例が報告されているのが現状です。決して他人事ではなく、どんなお家でもシロアリ被害に遭うかもしれないと考え、今回はもしも自分のお家でシロアリを見つけたとき、どう対処したらいいのか?ということを挙げていきたいと思います!!
(シロアリを見つけたらどうしたらいいんだろう?)
頻繫に見かけないだけに、対処の仕方が分からない人も多いのではないでしょうか?
「これってシロアリかな?」
「シロアリの様だけど良く分からない・・」
という様にシロアリの姿を良く知らないという人も多いと思います。
今回はそういった疑問を解決するためシロアリの確認方法から挙げていきたいと思います。
シロアリを見つけたときの3つの要点!!
もしお家でシロアリを見つけてしまったら・・
本当は誰でも自分の家がシロアリの被害になど遭いたくもありませんが、残念ながらお家の環境など様々な要因で発生してしまう事もあります。シロアリというのは刺したり、毒があったりなどの人体に直接被害を及ぼすものではないので、慌てず確認できる事から始めていきましょう。
- まずはシロアリかどうか確認!!
- 出てきた時のシロアリの応急処置
- 専門のシロアリ駆除業者に連絡
まずはシロアリかどうか確認!!
<木を食べつくすシロアリの群れ>
お家の中やその周辺で見かけるものの中には実際にシロアリによく似た虫もいます。
本当にシロアリなのかの判別も大事になってきますので、簡単にその生態について説明していきたいと思います。
日本で知られているシロアリの中で「建物に被害を及ぼす」シロアリは数種類いますが、中でも最も報告の多い代表的な3種類はこちらです。
1位 ヤマトシロアリ
2位 イエシロアリ
3位 アメリカカンザイシロアリ
地域によって発生する種類、そしてシロアリの種類によっては被害の形も違ってきますが、今回は滋賀県や京都でも発生しやすい「ヤマトシロアリ」に限定し説明していきます。
「ヤマトシロアリ」の特徴
北海道の一部を除き、日本全国にいる一番被害の多いシロアリです。寒い地域でも温かい地域でも関係なく生息しています。湿った場所を好み、木材をエサにします。羽アリに関しては、羽がもろいのがとても特徴的で、簡単に抜け落ちるので被害箇所・またはその周辺に羽がたくさん落ちている事で存在に気づいたりもします。春先から、梅雨前の昼間に目撃する事が多いのもヤマトシロアリの特徴です。
1. 羽アリを見かけた!!羽アリはシロアリの事??
<木に群がる羽アリ>
ではこの「羽アリ」ですが・・。「羽アリとシロアリ」は同じでしょうか?
答えは「同じ」です。
もし家などで発生した場合、見かける多くはアリといっても羽の付いた「羽アリ」が一般的だと思います。
ただ、羽アリの中には正確には被害のない「クロアリ」の事もあります。
その違いを説明していきます!!
シロアリとクロアリの見分け方
「羽アリ」を見かけても駆除の必要なシロアリなのか被害の無いクロアリなのか一見判断は難しいのですが、見分け方としては色々あり、中でも割と簡単な
- 見た目
- 発生時期
の2つで見比べていくと分かりやすいかと思います。
見た目での見分け方(ヤマトシロアリ)
羽の形・模様
羽が抜け落ちやすいのが一番の特徴です!!
シロアリはシロアリと一緒に抜け落ちた羽を同時に見つける事がとても多いです。一方、クロアリの羽は引っ張らないと取れないくらい、頑丈です。
シロアリの羽は4枚あり、全ての羽の大きさがほぼ同じでまっすぐな「とんぼ」の様な形をしています。
クロアリの羽は4枚あり、前後2枚ずつ、前羽が大きく後ろ羽が小さい分かれた「ちょうちょ」の様な形です。
そしてシロアリの羽は模様がなくクロアリの羽は網目模様が入っています。
胴体
羽に隠れて見えにくいですが、シロアリの胴体はくびれがなくまっすぐです。
それに比べクロアリの胴体はくびれててまさに「アリ」です。
触覚
シロアリの触覚は数珠状の丸い玉が一直線に繋がったような不思議な形です。
クロアリの触覚は昆虫らしい、くの字型に折れた形をしています。
発生時期での見分け方(ヤマトシロアリ)
シロアリが発生する時期とクロアリが発生する時期にも少し違いがあります。
シロアリ発生時期 | 4月中旬~5月の昼 |
---|---|
クロアリ発生時期 | 5月~11月の夕方~夜 |
被る時期もあり、全体に春先から見かけますが、特に被害の多いヤマトシロアリに関しては5月以降、そして夜はあまり見かけない・・というように割と限定しやすいです。
「発生」というより、「活動が活発になる時期」と考える方が、より正確でしょう。シロアリに休眠の時期はないので、新たな巣を求め外に出てくる春先のこの季節が発生時期とよく言われます。
2. 出てきたときの応急処置
実際見つけた羽アリがどうやらシロアリの様・・
もちろん、すぐに専門業者に来てもらうのが一番ですが、たくさんいればそれまで置いとくのも気持ち悪いですし、出てきたシロアリが何匹かどこかへ移動するのも怖い事です。駆除する前に、もし応急処置ができるのであればその方がいいでしょう。
ついでに画像などに収めておくと、どの種類のシロアリがいたのか業者がすぐに判断できるのでおススメです。
応急処置をするにも見かけたシロアリの数によっては対処方法が変わる事もあるので注意が必要です。
見つけた羽アリが1匹~数匹程度の場合
クロアリの場合もありますし、シロアリだったとしてもよそから飛んできた通りがかりかもしれません。
さほど気にする必要はないかもしれませんが、だからといって放っておくのはどこかで新たな巣を作ってしまう可能性もあるので、殺虫剤などで退治した方がいいでしょう。
あくまで応急処置として使う殺虫剤ですのでこの時は市販の害虫全般に効果の高い殺虫剤で十分だと思います。
数十匹、数百匹見つけてしまった場合
数が多い場合、お家の床下等でシロアリが発生してしまっている可能性があります。
巣で増えすぎたシロアリの一部が出てきているのでしょう。外に出て新たな巣作りの為、あまり遠くない場所へ移動する傾向にあります。
これ以上シロアリの被害を増やさないように今いる羽アリはできる限り早急に退治しましょう・・こういった数が多い場合ですが、数匹程度見つけた時の様に殺虫剤をかけてしまうと、中には殺虫剤が行き届かず逃げられる事も少なくありません。大量のシロアリを見かけた場合は、逆に殺虫剤はあまりおススメできません。
シロアリは襲ってきたりする狂暴性はないので、粘着テープで取ったり、一気に掃除機で吸うのがかなり効果的です。シロアリをその場から「逃がさない」と考え対処するのが一番のコツです。
3. 専門のシロアリ駆除業者に連絡
お家で見つけたシロアリの数十匹、あるいは数百匹というのは、お家の床下などで発生しているシロアリのほんの一部にしかすぎません。
どれだけ応急処置で見えている範囲のシロアリを全て退治しても床下に1つ巣がある場合、そこにいるシロアリの数は約1~2万匹とされています。もし、巣が1つじゃなく2つも3つもあれば被害はより拡大しています。
他の害虫の様に目の届く範囲で自分で駆除しそれで終わればいいのですが、そうはいかないのがシロアリの厄介なところです。
- どこに巣を作っているのか?
- 巣が何個あるのか?
- シロアリの「道」がないか?
- 一見見えにくい木の内部など、どこに潜んでいるのか?
- 家周辺の環境はどうか?
など・・日々シロアリと格闘する駆除のプロなら床下を徹底的に調査し、そのお家やその被害の場所に適した薬剤等で十分な駆除ができます。
連絡してみて相談したり一度見に来てもらったりの調査なども簡単にしてもらえる事が多いでしょう。
床下の現状が今どうなっているのか、分かりやすい説明や画像でも見せてもらえるなどで、きちんと作業してもらえるかの判断が大事です。大切なお家の床下を任せるために信頼できる業者を選んで頂きたいと思います。
まとめ
今回はもしもシロアリが発生してしまった時のシロアリかどうかの見分け方や、発見後の対処方法についてまとめてみました。シロアリの被害は木造のお家だけにかかわらず、鉄骨住宅にも報告がたくさんあります。絶対に安全な建築物はなく、自分のお家でも被害に遭うかもしれないと考えておいた方が良さそうです。
シロアリはとても小さい体で家を食い尽くす力を持っています。大切なお家を長持ちさせる為に床下の管理は必須でしょう。定期的にご自身でもお家の観察をしていくと共に、もしシロアリが発生した時には正しい方法で応急処置をして頂いたり、そして迷わず専門の業者に徹底的に駆除して頂きたいと思います。