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お役立ち情報

シロアリとは一体いつ発生するのでしょうか?どんな種類がいて、いつどういった活動をしているのか・・シロアリの生態を知ることができればそれに向けて対策や予防をし、大事なお家を守っていく事ができます。

今回はシロアリについてその種類や、季節ごとの活動などを詳しく挙げていきたいと思います。

  1. シロアリの活動と発生時期
  2. シロアリの種類と生態
  3. 適切な予防や駆除のタイミング

シロアリというのはどんなお家にも現れる本当はとても身近なもので、もし被害を受けてしまうととても大きな損害が出てしまいます。

発生時期の説明の前に被害の実態を簡単に説明していきます。

1. シロアリ被害の実態

実際に家や、家の付近で羽ありを見かけても、どこか(まだ大丈夫)と駆除を先延ばしにできたり、ましてシロアリがいないか定期的に調査してもらったりする人はあまりいないと思います。

「床下の木材を食い尽くす」
「家の柱の木を食いつくす」
「住宅に被害が出る」

など、漠然と被害は想像できても、普段から見かけることはないので身近な存在に感じにくいと思います。

最近は住宅はもちろん、学校や公共施設などでも「耐震対策」が見直されているにもかかわらず、 もしシロアリの被害があればその効果は半減してしまうのです。

家の倒壊リスク

 家の倒壊といってもシロアリによって床下の木材などが食べられ、すぐに家が倒れてしまうという事にはなりません。台風や地震といった自然災害を受けた時にシロアリの被害があると倒壊のリスクはかなり高まるのです。

阪神淡路大震災から耐震と一緒にシロアリ対策も強化されているのが分かりやすい例です。震災時には、シロアリ被害があった家屋の約8割ほどに倒壊などの被害があったというデータが報告されています。住宅の老朽化に加え、メンテナンス不足というのはやはり顕著に出てくるものです。

部分的な被害

その他、洗面や浴室などの水回りにも部分的な被害があったりします。

シロアリは家の床下で発生すると広く知られていますが、洗面所や浴室、雨漏りする天井、水漏れする場所など、湿気が多い場所にもとても多く発生します。特に浴室の床下や壁の中の被害はとても多い例です。
浴室や脱衣場の湿気・カビ対策などはとても重要で、湿気やカビなどが原因で建材が劣化してしまうと、そういった隙間からシロアリは容赦なく侵入してきます。シロアリは湿気を好むので被害はより広がりやすいと言えるでしょう。最終的にはシロアリの駆除に加え、浴室のリフォームまでする事になる例もあります。

とにかく、被害が家や部屋、建材といった箇所に及ぶので、かかる費用が莫大になりがちです。

2. シロアリの発生時期 

傾く家

シロアリは湿気をとても好み、梅雨の前後に多く見かけます。ただ正確には多くの昆虫の様に春~夏に発生するといった特定の発生時期はなく、冬の時期の休眠もありません。住宅の床下などに巣を作り、女王アリが常に卵を産み続けどんどん数を増やしていきます。なので1年中休まず活動を続けているのです

唯一、梅雨の前後に羽アリが外へ飛び出してくると見かける事が増えるため、その時に発生や駆除のタイミングと言われる事が多くなります。

1年中巣の中で活動を続けているシロアリ達の一部が、次の巣を作る為に羽アリとなって外へ出て降り立った場所で、また巣を作り活動するという流れです。

羽アリとなって外に出てくるタイミングは、いくつかあるシロアリの種類によって少しずつ違ってきます。

シロアリが1年中活動する理由

シロアリというのは1匹では弱すぎて生きていけません。
鳥や昆虫などの天敵も多くそのエサとなりやすいので集団を作り常に数を増やし続けて活動をしています。

シロアリの種類と生態

シロアリが巣作りのため、羽アリとなって外に出てくるタイミングにはシロアリの種類が関係してきます。その種類や種類ごとの生態を詳しく説明していきます。

日本には約20種類ほどのシロアリがいるとされていますが、中でも被害が多く報告されているシロアリには大きく分けて3つの種類がいます。その代表的なシロアリを紹介していきます。

種類1 「ヤマトシロアリ」

日本のシロアリといえば「ヤマトシロアリ」です。
北海道の一部を除く日本のほぼ全土に生息していて、被害件数も一番多いシロアリです。木造住宅の床下基礎、木製の家具、湿度の高い部屋の床下など、木と湿気をとても好みます

種類2 「イエシロアリ」

「イエシロアリ」は日本でも主に南の温かい地域に多く生息するシロアリです。
被害件数より被害の大きさの方が問題で、コンクリート造でも関係なく住み、水を運べたり、1つの巣に100万匹ほどいるため被害を及ぼす速さもとても速い厄介なシロアリです。

種類3 「アメリカカンザイシロアリ」

「アメリカカンザイシロアリ」は、もともとは輸入家具などに紛れ入ってきた外来種なので、生息地域は限定されていません。
他のシロアリと比べ少し大きく、巣で生息する数も2000匹程と少ないので一見駆除しやすく感じますが、生息場所が限定されない事が余計に発見を遅らせ、知らない間に被害が広がっているという問題点があります。

 

 

ヤマトシロアリ

イエシロアリ

アメリカカンザイシロアリ

羽アリ発生時期

4月半ば~5月
昼間

6~7月
夕方~夜

7~10月
昼間

生息場所 

北海道の一部を除いた日本全土

日本の温暖な地域

限定されていない

好むもの、場所

  • 湿った場所 
  • 木材 
  • 土の中
  • 枯れ木 
  • 湿った木材
  • コンクリート
  • 乾いた木材 
  • 木の中に巣

1巣の数

約1~2万匹

約100万匹

約2~3000匹

進行の速さ

早い

とても速い

遅い

特徴

警戒心が強い
光・風が嫌い

夜間の灯火に寄る
水を運ぶ

蟻道を作らない
乾燥に強い

羽アリの特徴

羽が真っすぐで抜け落ちやすい

羽が真っすぐで抜け落ちやすい

羽が真っすぐで抜け落ちやすい

シロアリと温度の関係

休眠せず1年中活動しているシロアリですが、多少は季節によって活動の勢いが変わります。
イエシロアリの様に比較的温暖な地域に生息しているシロアリもいる事を考えれば、シロアリにとって温度というものは影響してきそうです。

ヤマトシロアリの好適温度 10~30℃
イエシロアリの好適温度 30~35℃

10℃以下だったり、40℃以上だったり・・シロアリにとっての好適な温度以外での気温だと活動が大人しくなっていく様です。

  • 「春」・・・暖かくなり活発に活動し始める。羽アリが巣を求め外に出ていく。
  • 「夏」・・・暑すぎる日などは地中の涼しい場所で過ごし少し大人しくなる。天敵である多くの昆虫の活動時期でもあるのでひっそりと過ごす。
  • 「秋」・・・春同様、快適な温度で活発になる。羽アリは飛ばない。
  • 「冬」・・・寒すぎる日などは床下の温かい場所を求めまた大人しくなる。

春や秋、暑すぎず寒すぎない中間の季節が、どうやら好きなようです。

ポイント「気を付けたい断熱材」

最近では床下暖房・精度のいい断熱材・全館空調など、高性能住宅の普及により、住宅内の温度が一定に保たれやすくなってきています。これは住人にとってだけではなく、シロアリにとっても住みやすい環境になってきているという事です。

素材自体は直接餌にはなりませんが柔らかいので断熱材の中はシロアリが繁殖しやすい環境といえるでしょう。

断熱材もシロアリの発生原因になるという事は抑えておきたいポイントの1つです。

 

3. 適切な予防や駆除のタイミング

薬剤 

シロアリの生態や羽アリの発生時期を理解すると、自分で心掛ける予防や、住宅の管理のための適切な予防・駆除というのが見えやすくなります。

業者による適切な予防と駆除

予防のタイミングとして

  • 新築として建ててから5年以上たっている。
  • 羽アリが活発になる前の春前あたり。

住宅を新築で建てる際は大抵シロアリ防除をしています。
業者が行う予防法として多いのはそこから5年ごとの定期防除です。
薬剤はだいたい5年間効果がありますので、床下などをしっかり調査してもらい薬剤散布との併用でシロアリが住み付けない環境を作る事が必須です。

駆除のタイミングとして

  • 春先に羽アリやシロアリを見かけた時。
  • 家の中でシロアリがいる兆候がある時。(床がベコベコする、木材に穴が空いている等)
  • 床下調査などでシロアリ被害が見つかった時。

こういった際には出来るだけ早く専門の業者に駆除してもらいましょう。放置してしまうと新たな被害が出たり、被害が大きくなったりします。

自分でできる予防について

家屋

業者に予防してもらいそれと一緒に、毎日の生活の中で自分でもできる予防があります。
長年住めば家にも老朽化が来て時には屋根の雨漏りキッチンの水漏れ壁の一部にヒビが入ったりという事もあると思います。そういった際には放置せず早めに修繕するようにしましょう。

他にも、

  • シロアリの餌になりそうな木や段ボールなどの紙類を置きっぱなしにしない
  • 定期的に換気し、シロアリの苦手な風を部屋に取り入れる
  • たまに家具などの配置を変え壁や建材、家具などのカビ対策をする

など、シロアリが嫌う事を意識して生活に取り入れてみるのもコツです。

まずは自分でできる範囲での予防をしてみましょう。ほんの少し意識してお家の中や庭を観察するだけで対処が早まります。その結果シロアリの被害にあわずに済んだり、もしシロアリがいたとしても、最小の被害で済むことがほとんどだと思います。

大切なお家を守れるのは本当は専門の業者などではなく、住んでおられるご本人ではないでしょうか。シロアリに負けない強いお家を是非とも維持して頂きたいと思います。

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