室内外での寒暖差が発生しやすい冬は、結露に悩まされる人も多いでしょう。
結露といえば窓にできるイメージですが、床も結露が発生しやすい箇所となっています。
床の結露を放置するとカビや建物が傷むリスクがあるため、早めの対策が重要です。
そこでこの記事では、床が結露する原因や床の結露対策をご紹介します。
床の結露を防いで快適に過ごすためにも、ぜひ参考にしてみてください。
床の結露の原因4選
そもそもなぜ床に結露が発生するのでしょうか。
それには次のような原因が考えられます。
- 床下から来る冷気
- 暖房から発生する水蒸気
- 洗濯物の部屋干し
- 観葉植物
これらが結露につながる原因について、詳しく見ていきましょう。
原因1. 床下から来る冷気
床下の冷たい空気が床上まで伝わることで、結露が発生しやすくなります。
さまざまな床材がありますが、特に結露が発生しやすいとされているのは複合フローリングです。
複合フローリングは、床の標準的な素材としてよく使われています。無垢フローリングなどに比べ熱伝導率が高いため、冷気を通しやすく結露ができるのです。
家づくりの際は結露の発生しにくさにもこだわって、床材を選んでみるのも良いかもしれません。
原因2. 暖房から発生する水蒸気
暖房器具は種類によって水蒸気が発生しやすく、そこから床の結露に繋がる可能性があります。
例えば、石油・灯油・ガスを使ったストーブは、燃料を燃やす際に水蒸気が発生する暖房器具です。
また、北海道や東北などの寒い地域では、乾燥対策としてやかんをストーブの上にのせる風習があります。やかんから出る水蒸気も、結露の原因となっているでしょう。
原因3. 洗濯物の部屋干し
濡れた洗濯物の水分は結露の原因となります。
冬場は洗濯物の外干しがなかなかできず、部屋干しにする人も多いのではないでしょうか。
「冬は乾燥しているから、洗濯物を部屋干ししても結露にならないのでは」と疑問に思う人もいるでしょう。
結露は室内外の温度差があり、なおかつ湿度が高い状態で起こります。
そのため乾燥しやすい冬でも、室内外の温度差と湿度の状態によっては床が結露するのです。
特に外気温との温度差が激しいと、湿度が50%程度でも結露は発生します。
原因4. 観葉植物
植物から発生する水分が空気中の水分と結合し、部屋全体の湿度が上がりやすくなります。
観葉植物1台程度であれば、そこまで大きな影響はないかもしれません。しかし、室内にたくさん観葉植物を置いている場合は、床が結露する原因になるでしょう。
また、観葉植物の受け皿に溜まった水や湿った土は、カビや細菌が発生する確率を高めます。どこかにカビが生えると他の箇所でも発生しやすくなるので、十分に注意してください。
床の結露を防ぐ4つの対策方法
床の結露を防ぐためには、「湿気をこもらせない」「湿度を適正に保つ」という点が大切です。
そのためにおすすめなのが以下4つの方法です。
- 部屋を換気する
- 暖房器具を見直す
- 結露防止シートやコルクマットを使う
- 家具と床のスキマを空ける
それぞれの対策方法について詳しく紹介します。
対策1. 部屋を換気する
室内はこまめに換気し、通気性を良くしましょう。
換気は長時間で少ない回数を行うより、短時間で回数を増やす方が効果的です。
目安として、1時間に5~10分の換気を行ってください。
また、効率の良い換気のコツは、対角線上の窓を開けることです。
空気の通り道ができ、室内を全体的に換気できます。
冬場は寒くて換気を怠りがちですが、短時間なら室温も下がりにくいため、意識的に換気しましょう。
対策2. 暖房器具を見直す
石油・灯油・ガスを使った暖房は水蒸気を発生させやすいため、その他の暖房器具の使用を検討してみてください。
水蒸気が発生しにくい暖房器具は、以下のようなものがあります。
- オイルヒーター
- エアコン
- ホットカーペット
特に、オイルヒーターは温風を出さないため乾燥対策にも適しています。
対策3. 結露防止シートやコルクマットを使う
結露対策には、市販アイテムを使うこともおすすめです。
幅広い市販アイテムがあり、ドラッグストアや通販サイトなどで手に入ります。
例えば床用の結露防止シートがあります。
よく結露が発生する場所に貼ると、水分が床材に浸透するのを防ぐ効果を期待できます。
また、コルクマットを床に敷くのもひとつの方法です。
コルクマットで床の断熱効果が高まり、床下からの冷気を通しにくくなります。ただし注意点として、コルクマットは長期間放置すると、床との間にカビが発生しやすくなります。コルクマットは定期的に裏返したり入れ替えたりしましょう。
対策4. 家具と床のスキマを空ける
ソファやベッドなど家具と床の間にスキマがないと、空気がこもって結露の原因となります。密着した場所で結露が発生すると、家具と床どちらにもダメージを与えかねません。
通気性を良くするために家具の脚に保護パットなどを付け、家具と床の間にスキマを作るのがおすすめです。
耐震パッドであれば、地震の際の家具転倒防止にも役立ちます。
また、定期的に家具の配置を変更し、カビを生えにくくするのも良いでしょう。
床の結露を放置するとトラブルにつながる
頻繁に床が結露していると、毎回水分を拭くのは面倒に感じるでしょう。「多少水分を放っておいたって問題ないだろう」と思う人もいるかもしれません。
しかし床の結露を放置すると、住んでいる自分自身が被害を受けたり、建物の強度を脅かしたりする要因となります。
ここでは、床の結露を放置すると起こりかねないトラブルについて紹介します。
床材やフローリングが傷む
床が濡れた状態が長く続くと、床材やフローリングが傷みやすくなります。
傷んだ床材やフローリングは反り・シミが発生し、見た目が良いものではありません。
さらに、反った床がめくれ上がり、できた段差に引っかかる恐れがあるでしょう。小さいお子さんや高齢者の住む家では、少しの段差でも怪我につながるリスクがあります。
床材やフローリングを守るためにも床の結露を放置せず、水分は早めに拭き取りましょう。
カビによる健康被害の恐れがある
濡れている場所にはカビが発生しやすいです。床も例外ではなく、結露の放置によりカビが発生し、そこで暮らす家族やペットに健康被害をもたらします。呼吸などからカビが体内に取り込まれると、アレルギー症状などに繋がります。
また、カビは一度発生すると根元から除去しなければ何度も繰り返します。
カビ発生前に防ぐのが一番の対策となるため、結露は放置しないのがおすすめです。
虫が発生する
湿気の多い場所には虫が発生しやすくなります。
例えば次のような虫は湿気を好み、住宅にも侵入してきやすい厄介な虫です。
- ダニ
- チャタテムシ
- シロアリ など
虫は室内のさまざまな隙間から侵入し、ジメジメとして程よい気温のところで繁殖しやすくなります。
エアコンの排水ホースや換気扇などの侵入経路は、網の細かいネットなどで塞いでおくのがおすすめです。
また、外出時の衣服に気づかないまま虫が付着している場合もあります。帰宅したら玄関先で衣服にブラシをかけることも意識してみてください。
家の強度や耐震性に影響する
結露は家自体にダメージを与え、強度や耐震性に影響する可能性があります。水分が家の柱に染み込み腐食したり、結露が招いたシロアリによる被害を受けたりすることが考えられるでしょう。
特にシロアリは床下や柱をむしばみ、家の基礎を傷めることに繋がってしまいます。
シロアリは冬眠しない害虫とされているため、冬でも対策は欠かせません。シロアリ対策は個人では難しいため、専用の業者に依頼するのがおすすめです。
結露でフローリングがカビてしまったら
結露を放置してフローリングにカビが生えてしまったら、速やかに掃除することが大切です。
基本的な掃除方法は次の通りです。
- アルコール(エタノールでもOK)をカビに吹きかける
- 中性洗剤を含ませた雑巾でこする
- 乾いた雑巾で拭き取る
フローリングの変色を防ぐために、まずは床の目立たない箇所にアルコールを吹きかけて様子を見ましょう。
なお、フローリングのワックス下までカビが浸食している場合、上記の方法ではカビを完全に取りきれません。専門業者への掃除依頼を検討しましょう。
床の結露の原因・対策まとめ
空気が乾燥しやすい冬場でも、外気温との温度差や湿度のバランスにより結露が発生しやすくなります。
床下から伝わる冷気や洗濯物の部屋干しなどは、結露ができる主な原因です。
床の結露対策にはこまめな部屋の換気や、コルクマットで床下からの冷気を防ぐことがポイントです。
結露を放置するとカビや害虫が発生しやすくなり、人体や建物が被害を受けるリスクがあります。結露対策は早めに行い、快適な室内で過ごしましょう。